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4話 ルーティーン

      2014/09/01

 - CASE03【ラミエル・ボーイ】, 探偵読物 , , , ,

そのゲームセンターはいまにも潰れそうであった。ヘタをすると店員の方が客より多い。いや、そんなことがありえるのかと、ふと数えてみると客が私と持田さんを入れて7人。店員は3人であったから、遺憾ながら誇張表現であったと言わざるを得ない。
ただ、その程度のゲームセンターである。<ラミエル・ボーイ>氏はこのゲームセンターを大学時代から、いまに至るまでずっと使い続けている。
久木桂花さんの話を聞いて、<ラミエル・ボーイ>氏を調査するうち、2、3週間に1度は実家に帰り、友だちと遊んでいることはすぐに掴めた。ここで女性の影でもあれば、それはそれで話はうまく行きそうであったが、オタ友だちしか彼にはいないようである。
私と持田さんは、休日を装ってメダルゲームに興じていて、<ラミエル・ボーイ>氏は地元の友だちとエヴァンゲリオンのパチンコを回している。いまはすでにホールには置いていないが、一世を風靡した機種だ。他にもエヴァンゲリオンのスロットとパチンコはひと通り揃っている。
「いつもあの3人なんですか?」と私はメダルを投入しながら持田さんに訊いた。
「そう。たまに2人とかになることもあるらしいけど」と持田さんは答えた。
「よく飽きずに集まりますね」
「まあ、共通の趣味ってやつは強いからな」
「友だちの輪に入れる気がしないんですが」と私はそのまま思ったことを言った。
「いや、いけるだろ。次はメガネかけて来い。おまえも中身はオタクなんだし、メガネさえかけてればだいじょうぶだ」
じつに辛辣かつ心外であった。
今回は、私がとりあえずファーストコンタクトをとる、ということになっていた。ついに工作デビューである。ここを足がかりにして、<ラミエル・ボーイ>氏の悩みを聞き、穏便に別れさせるか、女性工作員を使うかを決める予定である。
ただし、私の自信は時間がたつほどになくなっていく。もはや手のひらで砂を受けるようなものである。こぼれ落ちてむしろ残るほうが少ない。
<ラミエル・ボーイ>氏らのグループは、ヘタをすると何年も同じことをしているハズであるのに、まるで初めてのことであるかのように、大騒ぎである。箸が転んでもおかしい年頃はとんでもなく昔に過ぎ去ったはずであるが、予告が金色になったりすると、いちいち騒ぐ。
私は、このグループに、入れるのであろうか。疑問である。いや、むしろ、自信がない。
久木桂花さんのお腹はどんどん目立ち始める。残り時間は多くて2ヶ月程度であろう。次か、次の次には確実に<ラミエル・ボーイ>氏と連絡先の交換くらいはしておく必要がある。が、
「いや、どう考えてもあの中に突入は無理でしょう」と私は涙目で持田さんに言った。
「ああ、そうだな。おれもちょっとそれは無理だなと思い始めていたところだ」
なにせ、隙がない。彼ら3人の周りにはものすごいATフィールドが張ってあるわけである。あそこに侵入するのは、なかなか骨が折れる。まして、見習い探偵、しかも工作を実行することに関しては見習いの見習い程度のスキルしか私にはない。
「ということで、次の策に移行する」とこともなげに持田さんは言った。
接触が困難なケースも想定されるので、その場合は次の策に移行する、という久木桂花さんに提示した資料の7ページ目くらいに書いてあった、プランBである。ちなみにプランBという名称はいま考えたので公式ではない。

プランBが発動してから4時間後、私と持田さんはスーパーの駐車場にいた。持田さんとはいつも駐車場にいる気がするが気のせいだろう。
<ラミエル・ボーイ>氏のゲームセンター通いはじつは確実ではない。50%くらいの確率でしか起こらない。秋葉原に出かけたり、そもそも実家から出てこないこともある。
しかし、この業務用スーパーに寄ることはほぼまちがいない。実家からの帰り道に、確実に4、5日分の食料を買い込むのである。
であれば確実な方にあわせたプランを練るのが正解だ。私の工作デビューなど、オマケ程度なのである。本命のプランはこちらだ。だから、私がうまくできなかったからといって、別段責めを負うべきようなことでもないわけである。だがすこし、悔しい。
「わあー、これすごい! 自作ですかあ?」と黄色い声がする。
「ええ、まあ。エヴァお好きなんですか?」
「あ、はい。TV版も旧劇場版も全部見てます。あ、すみません、突然。写真取らせてもらってもいいですか?」
これがナチュラルな接触、というものである。



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