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6話 ハルになるまえ

      2014/09/01

 - CASE01【桜色仙台城】, 探偵読物 , , ,

「<桜色仙台城>さん、いいひとですね」と私は言った。
私と、社長、持田さん、岬京子は飯田橋駅前探偵事務所でお茶をすすっていた。
「で、その後、どうなったの?」と社長が言った。
その目は成功したことを確信している。いや、むしろ、疑う必要すらない、という目だった。この目で語りかけられれば、もはや成功しないわけにはいかない、と思わされている私もすでに社長の影響下にいるということかもしれない。
「あのあと、駅まで送ってくれて、それでメアド交換しましたよ。それで、いま、2、3回メールのやりとりしたかな。次に仙台に行くときには、案内くらいはしてくれるんじゃないかな」
岬京子は東京に住んでいて、仙台にいる男と遠距離恋愛中であったが、別れてしまった、という設定である。レンタルビデオ店で車から岬京子を降ろした男が元恋人役である。ただ、まあ、彼はもう2度とこの件で登場することはないが。
別れる前に仙台の会社に就職が決まってしまい、研修で仙台に行くという口実もある。
「しかしまあ、22歳とは、ずいぶんサバ読んだね」と社長がにこやかに言った。
京子さんはウニャウニャ歳である。言うと本人に怒られるので控えるが、22歳には余裕で見える。
「いや、それセクハラですよ、社長」
「近頃はなんでもセクハラだねえ」と社長はお茶をすすった。
「で、まあ、このあとは手はず通りにもう1回仙台。で、その次に例のプランをやる、と」と持田さんが言った。
「持田も、こういうの好きだよね」と社長が笑う。
私も若干にやけてしまう。
「こんくらいベタなので、<桜色仙台城>いけるんですって」
「これって、岬さんは、やっぱり盛り上がるもんなんですか?」と私はふと口にする。
「まあ、やっぱりね、それはそれなりに楽しんでないと、相手も楽しくないからね」と岬京子はさらりと言った。
まあ、それはそうだ。
「でも、別にタイプじゃないし、たとえタイプだとしても仕事だから」ときっぱり付け加える。
なかなかドライである。工作員がむしろ本気になってしまう、ということは杞憂どころか、本来的にありえない、と思い切り否定されているようだった。
「とりあえず、今週、仙台行ってデートしてみる」と岬京子が言った。
「時期も時期だからねえ、満開までに間に合えばいいけど」と社長が言った。「まあ、あれができなくても、他にも予備プランはあるしね」
室田さんへの報告は逐一している。相変わらず、<桜色仙台城>氏とは良好な関係なようではあるが、本人から他の女の存在は打ち明けられていない。むろん、岬京子についての話も出ていないそうである。
「メールで本命のほうの話って出てきた?」と持田さんが訊いた。
「彼女いるのか訊いたら、いるけど微妙って言ってたよ」と岬京子は答える。「うまくいってないから、別れるかもだって」
<桜色仙台城>氏もなかなかである。すでに二股ですよ、あなた、と私は突っ込まずにはいられない。いや、むしろ、どうなんだ、そのふたりの女性とすでに関係を持ちながら、なんだ、三股目か? どういうことだ? 資本主義は経済だけにすべきだ。そうだ、恋愛はむしろ社会主義にすべきだ。富の再分配を要求する。書記長、恵まれない大橋にも機会を与えるべきです。どこかにそんなすぐれた人物はいないものか。
「<桜色仙台城>、やる気マンマンじゃねえか」と持田さんが言った。
「とりあえず、本命彼女の情報を聞き出せばいいんだよね?」
「そうなる。まあ、そのうち<桜色仙台城>も会うだろうから、見つけられるとは思うけど」と持田さんが言った。
「まあ、君たちに任せるよ」と社長は茶をすする。「春子さぁん、お茶がぬるくなってしまった」
はいはい、というように事務所の奥から春子さんがあらわれて、社長のお茶を取り替える。「君たちは?」
我々3人は結構、と手を振る。ああ、陽射しがゆるい。もうじき、本格的な春になる。とても短い春に。

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