不倫相談塾-みんなの不倫事情-

不倫相手を離婚させたい人のための相談塾

8話 煮え切らない男

      2014/09/01

 - CASE01【桜色仙台城】, 探偵読物 , , , ,

私がその日、事務所に足を運んだのは、翌日、話の聞き取りと調査を兼ねて、依頼者の自宅へ行くための下準備をするためであった。ゴールデンウィークが終わり、梅雨がほぼ目の前にある曇った日だった。
「明日の準備?」と春子さんが訊いた。
「そうです。先方に提出する資料を作ったので、持田さんに見てもらおうと」
「いま、ちょっと立て込んでるみたいよ。ほら、室田さんの件、どうやら決着したみたいだから」
「いまちょうどそれは終わったんで」と持田さんが資料を持ってあらわれる。
「<桜色仙台城>氏は、言ったんですか?」と私は訊いた。
「言ったよ。本命がいるって。学生時代から付き合ってるらしい。9年だか、10年だか」
10年。10年、と言えば私がまだ中二病という感染当時は不治の病とすら思われるが、通りすぎてみると恥ずかしいだけの悲しい病にかかっていたころではないか。そう思えばじつに気の遠くなるような長さである。
「まあ、その前にその作ってきたという資料を寄越せ。見てみる」
私は持田さんに資料を渡し、ソファに腰掛けた。
予定では、<桜色仙台城>氏が本命の彼女の存在を岬京子に打ち明けた場合、そこから本命と<桜色仙台城>氏を別れさせ、言わなかった場合は、本命の彼女が仙台にやって来るときを狙って、鉢合わせる、という手はずだったはずだ。
言ったということは、真っ当に別れさせたということだろうか? などと私が延々結論の出ない堂々巡りをしているうちに、持田さんは私の資料に目を通し終え、正面に腰掛けた。
「あんまり出来はよくないが、まあ、及第点をやろう」
「ありがとうございます」
「まあ、出来はよくないが」と持田さんはもういちど念を押すように言った。「で、だ。気になっているだろうから、室田さんの結果を教えてやろう」
そして、持田さんはポケットからタバコを取り出し、火を--点ける直前に春子さんに止められた。
「禁煙になったと何度言えばわかるのかしら?」とベランダを笑顔で指す。
「いや、失礼しました」
これはもう一種のコント的なお約束である。この4月から、オフィスは禁煙になったらしく、社長も持田さんもそのクセが抜けない。3日に1度くらいは注意されているが、不思議と注意するひとがいないときは、灰皿がないことに気づいてベランダに出る。ふたりとも結果的には決まりは守ることになるのである。
私と持田さんは連れ立って、ベランダにある喫煙所に行った。
「言いはしたが、別れるまでには至らなかった」と持田さんは火を点けながら言った。
「<桜色仙台城>氏が別れたくないと?」
「いや、そこまで強くも言わなかったらしい。まあ、そこで別れたくないってはっきり言えるようなら、岬京子とも室田さんとも別れてるだろ。それだけに室田さんにもチャンスはまあ、あるわけだし」
「そう……ですね」と私はあいづちを打つ。
「ただまあ、予想通りというか、調査通りというか、煮え切らなくてずいぶんそこからモメた。ただ、もうその段階になると岬京子からある程度本命の情報は流れてきたから、本人の特定もできてたので、やむを得ず鉢合わせプランに変更、と」
「ああ、結局、そうなるんですか」と私は煙を吐き出しながら言った。
「明日行く予定の件も、場合によっちゃ鉢合わせになるかもしれない」
「鉢合わせないように考えた、って持田さん言ってませんでした?」
「まあ、ただ、今回も鉢合わせる必要はないと思ってたからな。場合によってはあるよ」
「鉢合わせって、どうなんですか?」と私は尋ねた。
「いやあ、気まずいよ、やっぱり」と持田さんは苦そうに言った。「というか、修羅場になるからね、たいてい。今回もできるなら鉢合わせさせたくなかったけどね」
「ただ、二股は認めても、別れるとは言ってくれなかった、と」
「まあ、そうだな」
しかし、<桜色仙台城>、なかなかどうしてやってくれるものである。二股までは目をつぶれはしないが、まあ、2万歩くらい譲って許容しなくもないが、しかし、三股とはこれ如何に。いや、むろん、許せるはずがない。絶対にだ。そもそも私が恋愛社会主義者であることは前も述べたとおりであるが、いや、長くなるからやめよう。要するに、私に、彼女を、くれ、と要約できるたぐいの話は長くする意味は私以外にはさほどないはずだ。私は空気が読める男なので、それくらいはわかる。だから、空気の読める彼氏を探している女性には大チャンスと言えなくもないだろう。
「多少、<桜色仙台城>氏もこの修羅場で思うところがあってもいいんじゃないですかねえ」
「なんだ、えらくつらく当たるじゃないか」
「三股ですよ? 許せますか? これ、許せないでしょう? ひとつは工作とは言え、許せるレベルってものがあるでしょう。女性と3人に付き合うなど、戯言ですよ、世も末ってやつですよ」
「一夫多妻制は結構あるパターンだと思ったが」
「現代日本は一夫一婦制にござる」
「まあ、そうだけどな。でも、<桜色仙台城>には多少つらい結果だったこともまあ、事実だよ」
「<桜色仙台城>氏はとりあえずおいておいて、依頼者は室田さんですからね。依頼自体は成功なんですか?」と私は極正論を述べた。
持田さんはタバコを灰皿でもみ消した。

離婚した既婚男性とその不倫相手女性にお話しを聞きました。

不倫相手と一緒になるために離婚した既婚男性に話を聞きました。

不倫相手を離婚させた女性に聞く。それ一体どうやったの?

公式サイトオススメコンテンツ

マキ(仮)、別れさせ屋に依頼したらしいよ。

工作員がターゲットと仲良くなるなんて本当にできるの??

彼が奥さんの話ばかりしてきます。

家庭やご主人には不満のない専業主婦の本音!

他人と連絡先を交換しない奥さんへの工作!

不倫相手を本気で略奪したいですか?

不倫相談塾には、不倫相手を略奪したい独身女性からの相談が毎日寄せられます。もし、不倫相手を本気で略奪したい方に私達の仕事をお伝えしたいと思います。



公式LINE『Fu:line塾』始めました。

あなたが一人で辛い時や悩める時に、ふっと心が楽になる言葉を公式キャラクター"いつもん"がつぶやきます。 今すぐ役立つLINEテクニックも配信中です。

不倫関係改善サポートお申し込み

不倫関係改善サポート(有料サービス)をご希望の方は下記フォームよりお申し込みください。
お申し込み後、株式会社アクアグローバルサポートよりメールにて、詳しいご案内をさせていただきます。 復縁サポートなど、弊社サービスは不倫問題を解決するサービスをご覧ください。
復縁サポートのご予約状況はフォームの下にございますカレンダーをごらんください。
グリーンはサポートをご予約可能です。
オレンジは混雑しておりますが、時間帯によってはご予約が可能です。
ピンクは終日、サポートサービスがご予約いただけません。

Loading...
<< Previous | Next >>
  1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

ニックネーム(必須)

メールアドレス (必須)

性別(必須)
 男性 女性

年齢(必須)
 20代 30代 40代 50代以上

ご希望サービス(必須)

ご希望日時

状況・ご希望・経緯

  関連記事

no image
5話 決戦は日曜日

<ラミエル・ボーイ>氏は、完全なるオタクであった。かつ、粘着質だった。ヘタをすれ …

no image
3話 金曜日の不誠実たち

3年前に不倫を始めたいするぎさんと<シュガースポット>さんだったが、2年半ほどは …

no image
2話 アメノヒ、ゴゴ 〜杉原氏、独白〜その1

ひょっとしたら、いまでも、私の名前を覚えている生徒もいるかもしれません。 いや、 …

no image
12話 バスを待ちながら大路の春を【終】

  いいことか、悪いことか。 鉄人28号は操る者によってその力を悪にで …

no image
7話 シカクはシタゴコロ

極めて順調に、ほんとうに、ただ極めて順調にものごとは進んで行った。 京子さんはあ …

no image
10話 アル晴レタ日ノコト【終】

彼女は髪を切った。 失恋して髪を切るとはじつに昭和の香りのする行為であると思う輩 …

no image
7話 盤上、安定

<依頼1ヶ月後> ロマンスなしのディスティニーに関して、伊沢さんの協力はすぐに得 …

no image
5話 正直なあなたが好き

正直に、実直に、見たままを依頼者に報告するというのは、当たり前だが必要なことであ …

no image
7話 仙台城址事変

桜は庭を汚しますからなあ。川端康成だったか、三島由紀夫だったかのエッセイでそんな …

no image
1話 コールド・ウォーター【始】

「金が欲しければ、働く」と当然のことを<毎日が誕生日>氏は言っていた。「それも、 …